- <学長コラム>日々に自らを新しく
- (最終更新日:2022/03/23)
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2022年3月23日「学位記授与式を終えて」
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3月は、卒業生・修了生が学位記を手に新たな世界に巣立っていく季節です。いまだに続く新型コロナウイルス感染症のまん延により、今年の学位記授与式も感染拡大防止を優先させたシンプルな式典として挙行いたしました。
さて、学位記授与式の式辞の中で私は、人間が基本的に認識しておかなければならない重要な二つの点を「学長からのメッセージ」として贈りました。
第一は、どのような状況においても一人一人が主体性をもっていかによく生きてほしい、というものでした。主体性を持って生きるということは、たとえ大震災や自然災害、感染症の拡大など、想定もしていないような問題や課題に遭遇した時であっても、様々なプロパガンダや主義・思潮に左右されず、またマニュアル的思考にも陥らず理性を持って状況を的確に判断・認識し、創造力を発揮して行動していくということです。
第二は、寛容と共生の精神をもって、できれば地球的規模で物事を考え行動するということでした。現在、SDGsや持続可能な社会の実現に向けて地球的規模で地球を守ろうとする創造的な取り組みが行われていますが、他方では、この21世紀においてまさに暴挙と呼ぶべきロシアによる侵略戦争のような破壊的行為が起きています。
私は、人間が他者を思いやり、認め合い、共に生きるという共存共栄の精神を失い、多くの人々の声に耳を貸さなくなったとき、その人は人間としての価値を失うことになるのではないか、という考えを述べました。
祝賀の式典に暗い話題は避けるという方もいらっしゃいますが、私は今この時に、教育者の責務として、このようなメッセージを巣立っていく若者たちに贈りました。卒業生・修了生の皆さんが諸先輩に続いて今後様々な分野で活躍されることを願っています。
2022年3月23日
作新学院大学・同女子短期大学部
学長 渡邊 弘
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